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私は『空気人形』を観た(ネタバレあり)

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あらすじ: レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)にひそかな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトをすることに決めるが……。





タコ的点数:100点




今年のカンヌ国際映画祭で『そして父になる』が審査員賞となった、是枝裕和監督の作品です。
『誰も知らない』などでもカンヌで活躍されてる是枝監督ですが・・・恥ずかしながら、タコ是枝監督の作品、って一つも観たことなかったんですよね(笑)
今回のカンヌでの活躍を受けて是枝監督の作品もチェックしていこうと思ったのですが・・・いきなりとんでもない傑作に出会ってしまった様な気がします(笑)

さて、この映画、ラブドールが心を持つ、という内容だけ聞くとゲスいピノキオ!?かと思うのですが(笑)、意外や意外、中盤から終わりにかけて何度も涙が出てしまいました・・・
男の性のはけ口として作られたラブドールが、人々と触れ合い人間の心を知っていくという・・・まぁよくある話っちゃよくある話ですし、お話自体も細かいところをついていけばいくらでも粗は探せるんですが・・・そんなことなどどうでもよく感じさせる暖かさと儚さのある空気感が映像から感じられて非常に観ていて心地いいんです。
そして、ひとつひとつのエピソードが非常に丁寧に語られて「捨て場面無し!」と言わんばかりにどの場面にも深みを感じました。まだ、このひとつしか観てないんですが、これが是枝監督の世界観なのでしょうか?個人的にはヴィム・ヴェンダースの映像世界を見ているようで・・・う~ん、次観る作品によっては完全にハマってしまいそうです(笑)

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で、また主演のぺ・ドゥナがめちゃめちゃカワイイんですよね。心を持って街を徘徊するときも見るモノすべてに驚いて、誰かから何かを聞くときには興味深々で聴き入って、喜ぶときは体全体で喜び悲しむときも身体全体で悲しむ。その一挙手一投足がいちいちキュートでした。ラブドールを演じているわけなので、惜しげもなくその裸体を披露しているわけですが、全く贅肉の無いその体からは不思議といやらしさを感じないんですよね。純粋にカワイイと思える裸なんです(どんなだ(笑))。
映画全体に漂うやわらかく温かい空気は、彼女の存在も大きな役目を果たしているでしょう。間違いなくこの一策でファンになる人は多いはず。ぺ・ドゥナを愛でるアイドル映画として観ても楽しめるかもしれません。

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↑井浦新(旧:ARATA)さんって、マウントレーニアのCMでも思ったんですけど、こういう透明感のある美女とのツーショットが非常に似合う方ですよね。カッコいいな、この人も。







以下、ネタバレ

あくまで個人的解釈です。
さて、この映画のキーワードと思われるのが「代用品」という言葉ですよね。いきなり心を持ってしまったラブドールのノゾミは実は5980円で変える大量生産された商品であり、いくらでも代用品はあるわけです。心を持ってしまったがために、彼女は「自分は男の性欲処理の代用品」であると何度も思い悩んでしまうわけです。「自分は心を持ったけど人間ではない。中身は空気しかない空っぽの存在」だと思い悩むのです。
しかし、どうでしょうか?世の中には、自分に留守電を入れる受付嬢、居もしない奥さんの話をするレンタルビデオ屋の店長、自堕落な生活を送る独身OL、自分が犯罪を犯したと狂言を繰り返す未亡人など、人間に生まれながらも空っぽの存在はたくさんいるわけです。そして、みんな「自分の代用品などいくらでもいる」と空っぽの自分を何とか埋めようと思い悩むわけです。しかし、どうにもならない。
そんな空っぽの人々にとっての救いの言葉があの元・国語教師のおじいさんの教えてくれた詩。
「生命は、その中に欠如を抱き、それを他者から満たしてもらうのだ」
つまりは、空っぽの自分を埋めるのは自分一人では無理。他者の存在が必要なのです。そして、それは心を持ってしまったラブドールにとっても同じ。
「作ったときは同じ顔なのに、ここに戻ってくるとみんな違う顔になってる。愛されたかどうか、わかるんだ。それって、この子たちにも(心が)あるってことじゃないかな?」
心は他者の存在を受け入れるためにあるのだと、人形師は語るのです。そして、ノゾミは自分を愛してくれた純一に思いを伝え、純一の思いをいくらでも受け入れることを決心するのです。

・・・しかし、
ここから先は僕にとってはさらに意外な展開がありました。観る人にとってはホラーとも見まがう展開に。
空気を吹き込んでもらうことで満たされたノゾミは、”全く同じ方法”で純一を自分の力で満たしてあげようとするのですが、それがなんともおぞましい結果を招きました。
・・・これって、単純に「自分がやってもらってうれしいことが、相手にとっても嬉しいことだとは限らない」ってことですよね?自分が満たされたならば、相手も満たしてあげたいと思うのが当然ですが、同じ方法で相手が満たされるとは限らない。むしろ、それは相手を傷つけてしまうことだってありうる・・・。人間同士が繋がりあい満たしあうことの難しさを最後の最後で突き付けられ、僕は戸惑うばかりでした。
・・・しかし、”心”が何のために存在し、そして、それでも他者と満たしあうことの難しさをわが身で知ったことで、彼女は”死”という形で生命を得て(「死ぬことができる=生命がある」→「バースデーの夢」)、人間になることができたのではないかと思います。




”心”の存在や人間として満たされるために何が必要なのか?
色々と考えることの多い、非常に感慨深く味のある映画でした。
・・・これは僕のなかで好きな邦画ベスト5に入れてもいいなぁ、と思いましたね。

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タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

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