スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私は『ブラック・ブレッド』を観た

587cbb9dadca1f29f0c756e95903d52c.jpg
あらすじ:1940年代のカタルーニャ。11歳の少年アンドレウ(フランセスク・コロメール)は、森の奥深くで息絶える幼なじみとその父を目の当たりにする。そのとき、幼なじみが森の洞窟(どうくつ)に潜むとされる羽を持った怪物ピトルリウアの名を口にしたのを耳にする。やがて、警察は事件を殺人と断定し、アンドレウの父ファリオル(ロジェール・カサマジョール)を第一容疑者として挙げる。ファリオルが姿を消し、母親も働かねばならないことから、アンドレウは祖母の家に引き取られることに。そんなある日、森の中で怪物ピトルリウアのように全裸で走り回る青年と遭遇するが……。




タコ的点数:70点




この作品で「スペインのデヴィッド・リンチ」とも評されたアグスティ・ビリャロンガ監督・・・。ん?そんなにリンチっぽいとは思わなかったんですが・・・(笑)
さて、この映画、スペイン内戦後のカタルーニャ地方が舞台となっているわけですが、歴史音痴の僕がこの映画を観る前に予習しておいたその時代背景を少し・・・。

第一次世界大戦後、経済が停滞していたスペインの貧困層の暮らしは一層苦しいものになっていました。各地で反政府運動が激化し、保守勢力が支持する右派と労働階級が中心となる左派の対立がおこり、状況は過酷なものでした。
1936年の総選挙で左派政党が勝利を収め、王政から共和制に移行(スペイン革命)。新憲法のもと、社会主義政党を中心とした人民戦線政府が成立するんですが、これに反対する保守勢力はフランコ将軍を担いで反乱を起こします。これがスペイン内戦ですね。
内戦は1939年に首都マドリードが陥落し、4月1日の反乱軍の勝利宣言によって終結します。フランコは国家元首(総統)に就任し、1975年に死去するまでの36年に渡って独裁政治を行いました。そして、人民戦線の残党を弾圧し、バスク語やカタルーニャ語の公式の場での使用を禁じるなど地方独立の動きを封じ込めたのです。
農村は“勝ち組”と“負け組”に二分され、負け組である左派の支持者はカトリック教会からも疎まれ、「アカ」呼ばわりされて集落からの孤立を深めていきました。
ちなみに、タイトルの『ブラック・ブレッド(黒いパン)』というのは雑穀など余分なものが混ざった黒いパンのことで、富裕層は見た目においしそうな白いパンを食べて貧困層は黒いパンしか食べられない、ということらしいです。

さて、主人公のアンドレウのお父さんファリオルはこの左派の残党であり、警察は何かと理由をつけて左派であるファリオルを粛清しようとするわけですね。
それでも、自らの心情を揺るがさない父の姿を見て、アンドレウは父の背中を誇らしげに見つめるわけですが・・・。

120703mic2.jpg

さて、前置きが長くなりましたが、まぁ軽く「アンドレウのお父さんは政治的思想で警察や周りの人から疎んじられる存在なんだな」ということがわかっていれば、そんな細かいことはわかっていなくてもいいと思います。『縞模様のパジャマの少年』や『パンズ・ラビリンス』(たしかこれもスペイン内戦のお話でした)、そしてこの作品のように戦争の時代を子供の目線で描いた映画って、共通して言えるのは”子供にとっては、政治思想や大人の事情など知ったこっちゃなくて、ただ自分の目の前に起こることしか理解できない”ってことを痛烈に訴えていることなんですよね。
もちろん、(ネタバレになるんで曖昧な表現になっちゃうのでご了承ください(笑))大人たちの嘘や秘密は子供である主人公にとっては深く心を傷つけるものになったわけですが、大人たちが嘘をついて行動していたのには自分の意思ではどうしようもない、政治的背景や貧困などの、”理由”があったわけですよね。でも、大人でさえ「なんでこんなことをしなければいけないのかわからない」という状況なのに、それを子供に納得させる言葉なんて無いですよね。だからと言って「それが戦争なの。大人の嘘や悪事を許してあげて」と言って子供が納得するか?と言えば、無理ですよね。
大人の嘘、というより戦争・内戦という時代が、その時代に生まれた子供たちにどんな影響を与えるのか?そんな恐ろしさを感じる作品でしたね。ラストとアンドレウの選択も、大人たちではなく時代が与えた”生きる術”なんでしょうね・・・。

120703mic0.png


ところで、あの手りゅう弾で手を失った女の子、とんでもない悪魔的な魅力がありましたね・・・マリナ・コマス。いくつかわからないんですけど、すでに顔が出来上がっていて、そのおどろおどろしい怖さと目を見張る美しさ。う~ん、この子恐ろしい女優になりそうですねぇ・・・覚えておきます(笑)

120703mic4.jpg

参考映画
『縞模様のパジャマの少年』レビューはこちら
縞模様のパジャマの少年 [DVD]縞模様のパジャマの少年 [DVD]
(2012/02/08)
エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン 他

商品詳細を見る



パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]
(2008/03/26)
イバナ・バケロ セルジ・ロペス マリベル・ベルドゥ ダグ・ジョーンズ

商品詳細を見る

『パンズ・ラビリンス』レビューはこちら




関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
訪問者数(2/17~)
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。