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私は『LOOPER/ルーパー』を観た(ネタバレあり)

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あらすじ:未来からタイムマシンで送られてきた標的を消す、“ルーパー”と呼ばれる殺し屋のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。ある日、ジョーのもとへ送られてきたのは、何と30年後の自分(ブルース・ウィリス)だった。ジョーは、未来の自分の殺害をためらい逃がしてしまうが、その後未来の自分から、やって来た理由を明かされ……。


『LOOPER/ルーパー』予告編はこちら




タコ的点数:75点




さて、タコの大好物であるSFタイムパラドックスものです。タイムパラドックスものってかなり集中して観ないとわからなくなるし、かなり頭使うので疲れるんですけど、やっぱり好きなんですよね~。特にこの映画、タイムスリップのほかにTKなんていう超能力も出てきたり、哲学的メッセージも込められていたりして、SFファンにはなかなか楽しい要素が詰まってます。
初めに言っておくと、派手なSFアクションを期待すると少々がっかりするかもしれません。だって、近未来の設定なのに物語のほとんどが農園だし、バイクとかのCGもなんか安っぽいんです(それでも、前半の惨殺シーンはかなり衝撃的でした・・・アイデア勝ちと言いますか、オカルトホラー並みにゾクッとした処刑方法で、かなりドキドキ(笑))。僕の推測ですが・・・たぶん十分な予算がもらえなかったんじゃないかな?(笑)

さて、物語の舞台は2044年。その30年後にはタイムトラベルの技術はあるものの違法とされており、タイムトラベルは犯罪組織だけが悪用するようになっています。また、30年後の未来ではかなり厳しい管理体制が敷かれており死体を処理することは事実上不可能となっています。そこで、未来の犯罪組織はタイムトラベルで殺したい奴を過去に送り現代の人間に金や銀と交換に抹殺&死体処理させるわけですね。現代には存在しない人間を殺して処理するだけなので、未来では完全犯罪成立、というわけです。
さて、そんな現代での抹殺&死体処理をさせられる”ルーパー”という仕事をやってる主人公ジョーのもとにある日やってきたのがなんと未来のジョーだったのです。しかも、殺さなくちゃいけないはずが反撃くらって逃げられる始末。ループ(未来から送られてくる殺される人)を逃がしたら、組織から殺されてしまう!!さぁどうするジョー!?
・・・導入から面白いですよね~(笑)

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ハッキリ言って、脚本はいろいろと矛盾してたり、伏線がイマイチ回収できていなかったり、いい設定をうまく活かせていなかったり、ツッコミどころ満載で納得できていないところは多分にあります。でも、ここに関しては中盤のブルース・ウィリスのセリフで「ややこしいし、時間がかかる。タイムパラドックスの話はしたくない」とありましたので・・・まぁ「あんま細かいこと考えるな」という監督からのメッセージととらえまして、あんまり粗探ししないようにしました。
そういったことを度外視すると、この作品かなり良い作品だと思います。なんせ、現在の自分と未来の自分が対決するとかこれまでのタイムパラドックスのセオリーを堂々と打ち破ったオリジナリティはさすがですし(余談ですが、ジャン・クロード・ヴァンダム主演の映画でタイムパラドックスものがあったと思うんですが、その映画では時代の違う同一人物が触れ合うとぐちゃぐちゃになって跡形もなく消えちゃったんですよね、たしか。・・・全くタイトルが思い出せないんですが(笑))、その設定から語られる哲学的なメッセージを思わせる余韻を残すラストも満足でした。一昨年観た『ミッション:8ミニッツ』のようなキレッキレのSFではないですが、これも十分良作です。

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これは監督も認めてるそうなんですが、同一人物の割にはジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスって全然似てないんですよね。それをカバーするためにジョセフの顔にはブルースに似せるための特殊メイクを施してあるとか。確かに『(500)日のサマー』とかで観たようなどこか情けないタレ目の草食系顔ではなく、ゴリゴリの肉食顔のブルースの若き頃を思わせるような風貌になっていました。また、ジョセフはブルースの声を録音したテープを毎日聞いたり、ブルースの出ている映画をチェックしたり、また積極的に一緒に過ごすようにするなど、ブルースに自分を似せようとかなりの努力をしたそうです。その甲斐あってか「おいおい、ブルースの若いころがこんなんなのかぁ?」という違和感は無かったですし、ストーリーにもすんなり入っていけました。

また映像もなかなかスタイリッシュでカッコいいです。前述したように、なんか全体的に安っぽい感が否めなかったのですが、それを補うかのように独特の間とあまり観たことない映像などがあって見ごたえがありましたね。なんとなく、監督の「こういう映像が撮りたい!!」ってのが伝わる場面がいくつかあって、好感が持てました。

いろいろ書いたのですが、最後にもうひとつ。
子役の怪演が素晴らしかったです。オカルトかと思わせるほどの熱演。すごい子役が現れましたね・・・彼で『オーメン』撮ってもらえないだろうか?(笑)

細かい粗を気にせず観れば、なかなか楽しめる一作。

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以下ネタバレ

あくまで個人的解釈なので・・・
ラストだけ言えば、悪の親玉になるかもしれない子供と母親を守るために、現代のジョーが自らを銃で自殺して、未来のジョーを消すわけです。正直、決着はこうなるんだろうなぁという予想はなんとなくついていたのですが、現代のジョーがその選択をする動機がいいんですよねぇ~。個人的にはかなりグッときました。
あの瞬間、現代のジョーはとてつもないTKの力を持った子供の未来を見て自殺するという選択をしたわけですが、ジョーはあの子供がそのまま母親が殺されれば自分と同じ運命をたどり悪の道に目覚めてしまうことを悟ったのです。ジョー自身も母親に売られた思いがありながら銃を与えられたことで悪の道に進んだわけですから、あんな強力なTKを持った子供は、未来ではそのTKを行使し悪に目覚めることはこの時のジョーの眼には明らかだったのです。負の感情を伴った行動は新しく負の感情を生み、それは連鎖していく。だから、それを断ち切るために咄嗟にとった行動が子供を悪に目覚めさせたきっかけを作った自分を消すこと、だったわけですね。もちろん、愛する女性の命を守るためという目的もありますが、自らの行動が大きく未来を変えることにジョーは気づいたわけです。あぁ、かっこいい死にざまだったぜ、ジョー。

そして、またこの映画のにくいとこが、ジョーを消し去り子供を救ったことで未来がどうなったのか描かれていないことなんですよね。あの子供が結果母親の愛を受けて、まっとうに生きたのか、その未来は描かれることはありません。子どもと母親を救ったところで、ホントに未来でレインメーカーが消えるのか、それすらジョーの憶測でしかないわけですから。さらに言えば、未来のジョーに母親が殺されることがきっかけで子供が未来でレインメーカーとして悪を牛耳る存在になったかどうかすら定かではありません。もちろん、確実に未来でレインメーカーを消し去るには子供を殺すのが一番なわけです。そういう意味では、未来を恐怖の時代から救うには未来のジョーの強硬な考え方の方が合理的なわけです。しかし、現代のジョーは確証が無いにも関わらず「まっとうな母親に育てられれば、悪は生まれない」と自ら自殺し親子を救うという穏健な考えで未来を救おうとしたわけです。
残酷ながらも確実な解決策を持った未来のジョーと、何の罪もない子供を救うことに徹した現代のジョー。この対立は、映画を観終わった後もじわじわと思い出されました。だって、「お前は自分のことしか考えてない」と現代のジョーに言い放った未来のジョーも結局のところ自分の人生のために罪もない子供を殺そうとしたわけですし(一人、ホントに無関係の男の子が殺された時は胸が痛かったです・・・)、平和的解決を図った現代のジョーも母親に惚れて子供と仲良くなった事実が無ければ、親子のために自殺するなんてこともなかったでしょうし・・・ん~いろいろと考えてしまいます。

さて、上述した文章では「強硬と穏健の対立」みたいなことを書きましたが、僕はもうひとつ別の解釈をしてみることにしました。それは「現代のジョーは未来など関係なく”今”を選んだ」のではないか、ということです。母親を殺された子供の行く末はある意味後付けの理由であって、彼はただ”今”目の前の親子を救うことのみを考え自殺を選んだのではないか?とも思っています。
もちろん、強力なTKを持った子供が未来で脅威になる可能性は十分にありますし、それに対する現代ジョーの不安も決してないわけではないでしょう。しかし、彼の目の前にあった光景は未来から来た男に命を狙われた親子の”今”の姿だったわけです。未来に脅威となるかもしれない存在を消すことももちろん重要なのですが、それよりも彼は”今”救うべきものを救わなければいけない、と思い自殺を図ったのかもしれません。



と、考えれば考えるほどいろんな風に考えられるエンディングだったと思います。余韻が心地いい作品でした。
思いついたらまた書き足すかもしれません(笑)


長々とここまで読んでくれた方は感謝します(^^)


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参考映画

ミッション:8ミニッツ [DVD]ミッション:8ミニッツ [DVD]
(2013/01/23)
ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン 他

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『ミッション:8ミニッツ』のレビューはこちら


(500)日のサマー [DVD](500)日のサマー [DVD]
(2012/09/05)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル 他

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『(500)日のサマー』レビューはこちら




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LOOPER/ルーパー

負のループを断ち切るのだ! 愛を感じるノスタルジックなSFアクション映画。 LOOPER 監督:ライアン・ジョンソン 製作:2012年 アメリカ 上映時間:118分 出演:*ジョ

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タコさん、こんにちは!

暑いですね~(@_@;) フ~~ッ 夏バテしてませんか?

タコさんはこのジョセフの顔に違和感を持たなかったんですね。
私は、あの眉があまりにも変で違和感アリアリでした(^^;

最後の解釈はいろいろ出来ますよね!
ジョセフが未来など関係なく今を選んだというのは納得です。
ブルースが持っている女性の写真を一度も見る事なく、
彼の話にも耳を貸さず、あんたはあんた、自分は自分の人生を生きると
言っていたくらいで、未来にあまり関心を示さなかったですもんね。
あの親子を助けたかったというのは、一つあるでしょうね。
その上で、母の愛に賭けたという部分は、外せない所だと思います。

少々チープな作りではあったけど、
余韻が残るという点で、面白味のある作品でしたね~☆

Re: タコさん、こんにちは!

YANさん、コメントありがとうございます!!
毎日暑いですね~。僕は少し夏バテ気味です(^^;)
YANさんも、水分補給などで夏バテ・熱中症に気を付けてくださいね。

確かに、もともと草食系のジョセフにあの肉食系メイクは違和感ありましたけど・・・(笑)
でも、メイクやジョセフの演技でウィリスに似せようとしてるなぁ~と感じ、
そこまで違和感は感じませんでしたね(^^)

ストーリーはいろいろと解釈し甲斐のあるものでしたねぇ~。
オールドヤングともに自分の時代を心配しているわけですけど、
特にオールドは”今”しか考えてないヤングにどこか怪訝な顔をしていましたよね。
結果、”今”を選んだヤングが世界を救う(かもしれないと解釈した)わけですが・・・。

僕は完全にヤングジョー側に立って物語を観ていましたが、
オールドジョー側に立って観てみるとまた違った思いが湧き上がってくるかもしれませんね(^^)

プロフィール

タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

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