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私は『ファニーゲーム』を観た(ネタバレあり)

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あらすじ:穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かうショーバー一家。車に乗っているのはゲオルグと妻アナ、息子のショルシ、それに愛犬のロルフィー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。やがて、2人はゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと、突然一家の皆殺しを宣言、一家はパウルとペーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。


「ファニーゲーム」予告編はこちら




タコ的点数:100点




まず、この映画について一言言うならば、「最低の映画」であると言えます。ことごとく観客の期待は裏切られ全く救いのない映画です。
この映画を見た人は、ただただ後味の悪い悪趣味な映画と思うかもしれないし、そう思う気持ちもわかります。
ただ、「暴力はいけませんよ」なんて間抜けなメッセージを送るためだけにここまで不条理な映画を作る必要があるかと考えたとき、僕はこの映画に対して、スプラッターや暴力映画をエンターテイメントとして見ている現代の人々に対する、誰もやらなかった角度からの強烈なアンチテーゼを感じました。
こんな映画他にはない。暴力は映画やドラマ、はたまた遠い所にあるニュースの中だけのことだと思って平和ボケしてしまっている我々に喝を入れる作品なのです。

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残酷描写はほとんどありません。そういう意味ではスプラッターみたいなものが苦手な人でも十分見ることはできます。しかし、そこらのB級スプラッター映画よりも残酷で後味の悪いものになっています。勇気があるなら見てほしいです。

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以下ネタバレ










あらすじだけをを見ると、いかれた殺人鬼たちが現れて家族を意味もなく傷つけていくが最終的に家族が逆転して殺人鬼を倒しめでたしめでたし・・・そんな風なB級スプラッター映画を思わせます。
ここを読む人はもう映画を見たと思いますが、そんな甘いもんではないということはわかると思います。



直接的な暴力シーンや残酷シーンはありません。旦那の足を折るのも息子を撃ち殺すのも旦那がナイフで切られるのも全部映像の外のこと。この演出はかなり効きます。観客はこの出来事をすべて頭の中で想像します。どこを殴られたのか、どんなふうに撃たれたのか、被害者はどんな顔をして加害者はどんな顔をしているのか・・・そんなことをすべて頭の中で観客は作り出してしまいます。観客は間接的に映画の中の家族を傷つけ(させられ)ているのです。
そして所々でパウロが観客に問いかけてきます。「今からあいつらを痛めつけるよ。」「これで終わりでいいのか?」「もっと家族が傷つくところをみたいだろ?」この映画の中での常識を破る演出により、観客は自然と映画の中でのもうひとりの加害者となってしまうのです。いや、実際に頭の中で暴力シーンを作り出してしまった観客がじつは真の加害者なのかもしれません。



そんな中でも観客は不条理な二人を家族が打ちのめすのを期待します。しかし、家族に救いはありません。どんなチャンスもいかされない。船に忘れたナイフも何の意味もない。犯人たちがいなくなっても携帯はつながらないし、それが仇となって反撃の機会を失う。いくら映画の世界とはいえ、なんの落ち度もない平凡な家族に対してこの仕打ちは不条理です。
観客は「子供だけは助かるだろう」と勝手に思っていたかもしれませんが、子供は物語の中盤であっさり死んでしまいます。これもあまりにも不条理。その後の10分ほどの長回しのシーンが辛い。
だめ押しはあのリモコンによる巻き戻しのシーン。せっかくの反撃も観客を無視して台無しにします。
これだけ、映画の常識を無視して100分の時間をいっぱいに使って家族をじわじわと追い詰めなにも救いはない、後味の悪い映画を見て不快感を覚えない人はまずいないでしょう。この映画を「最悪」の一言で片づける気持ちもわかります。しかし、それこそがこの映画の狙いであると僕は思うのです。エンターテイメント性を無視したからこそ、不条理な暴力に対して本当に不快感を覚える。それでいいのです。



暴力は映画の世界だけでなく、実は身近なところにもある。もしかしたらそんなものが自分の中に秘められているかもしれない。
暴力をエンターテイメントの世界でしか知らない現代を生きる人々に贈る究極に強烈なアンチテーゼを秘めている異様なな作品であると思います。







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タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

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