スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私は『パレード』を観た(ネタバレあり)

E38391E383ACE383BCE38389-E698A0E794BB.jpg
あらすじ:「上辺だけの付き合い、それくらいが丁度いい」都内の2LDKマンションに暮らす男女四人の若者達。映画会社勤務の直輝、イラストレーターの未来、フリーターの琴美、大学生の良介。それぞれが不安や焦燥感を抱え…

「パレード」の予告編はこちら




タコ的点数:70点




吉田修一原作の映画は「悪人」しか見たことないですが、テーマとしてはこの「パレード」の方が好きです。個人的な感想ですが、「トウキョウソナタ」の対局にある映画のように思いました。現代社会のゆがんだ一面を見事に縮図として表現しています。非常に現代的なテーマで(ネタバレは後述)精神的にぞくっとするものがありました。ぜひ、原作の方も読んでみようかと思います。

003 (1)

非常に面白かったんですが、あえて苦言を呈すならラストシーンはもうちょっと刺激的にできたんじゃないのかなぁ?と思います。非常に不気味な終わり方・・・になるはずなんですが、結局のところ「もともとおかしなやつらが、思ってたよりもうちょっとおかしいやつらだった」ってぐらいのインパクトしかないんで、観ている人の中にもどういうことかわかってない人少なくないみたいなんですよね。やはりすべてがルームシェアしている”部屋”での出来事だけなんで、もうちょっと各々の外界での生活を知りたかったなぁと思いました。・・・は、それももしや干渉しすぎなのか・・・!?

002 (1)

この映画、TUTAYAで「サスペンス」の欄に置かれていましたが、これはあくまで群像劇です。「犯人は誰だ?」みたいな目で見てても面白くありません。
上辺だけの付き合いに潜む深い深い闇。
「共感するあなたに、闇が訪れる」

怖いキャッチコピーです。
001 (1)













以下ネタバレ










ネタバレというより、僕自身の解釈です。

①「不干渉による均衡」
これがズバリ本作のテーマなんですけど、それを象徴するのがラストシーン。直輝が連続通り魔事件の犯人であることを知っているにも関わらず、そこに一切触れず旅行の話をする。未来の「あんたも行くでしょ?」は非常に怖いセリフだな、と思いました。
要するにこの部屋の住人は、それぞれの本性に干渉せず”部屋”の均衡を保つことを決めたわけです。先輩の彼女に二股かえられていることも、恋愛依存の相手の子供をおろすことも、レイプシーンを観て心が安らぐという異常さも、そして殺人を犯すことも・・・深く干渉せず笑っていれば比較的平和で居心地のいい”部屋”を守ることができる、と考えたわけです。ラストの未来のセリフは「この輪を乱すなよ」と釘をさしたわけですね。

②「直樹の動機」
さて、ここで直樹がなぜ連続通り魔事件を起こしてしたのか。それは、雨の中ラストでぶつかった占い師の言葉を思い浮かべるとなんとなく想像できます。

「世界に対して変化を求めていますね?
でも、あなたがこの世界を抜け出したとしても、
そこは一回り大きな、やはりこの世界でしかありません。
世界とあなたとの戦いは、世界の方が強いのです」

この「世界」という言葉を「部屋」に置き換えてみると、直樹がこの干渉もなく上辺だけの平和が漂う変化のない”部屋”を出たいと願っていたのがわかります。そのために、通り魔事件を起こし、あわよくば”部屋”の住民に気づかれて追い出されることを願っていたのかもしれません。しかし、”部屋”の住民は直樹の事実を知っていながら、”部屋”の均衡を保つことを直樹に要求するのです。
思い出してみると、直樹以外の3人も直前まで「部屋を出る」と直樹に告げるのですが、結局3人とも”部屋”の居心地の良さを忘れられず、何もなかったかのように部屋に戻ってきていました。それに対して、自分自身もこの”部屋”の居心地から逃れられないことを悟り、泣き崩れたのではないか、と僕は考えます。

③「サトルの行動」
未来のレイプビデオを消したり、他の住人の部屋を散策したり、サトルは明らかにこの部屋の住人にとって害となっていました。この奇行の数々の原因は、単純にサトルは”部屋”に来た当初、「互いに深く干渉しないことでルームシェアが成り立っている」という暗黙の了解を知らなかっただけ、だと考えられます。だから、サトルは4人の生活や子供のころの話など聞きたがるのですが、次第にサトルは「干渉していないことで成り立っている均衡」の正体に気づくのです。そして、その”部屋”の居心地の良さも理解していく。ラストに直樹を見つめるサトルの視線は未来、琴美、良介と同じくこの”部屋”に取り込まれたことを示唆しているのだと思います。
今後、サトルがどんな奴か知ろうとしていた直樹や未来も、今後サトルの身辺を知ろうと尾行したり監視したりしないでしょう。干渉しなければ平和的にサトルを受け入れられる。この”部屋”にただひとり増えただけ、それ以上でも以下でもない。今後もこのゆがんだ均衡は保たれていくのでしょう。


まぁ、原作を読めばまた違った解釈もできるんじゃないかなとおもいます。非常に興味深い作品でした。


参考映画
「トウキョウソナタ」レビューはこちら
トウキョウソナタ [DVD]トウキョウソナタ [DVD]
(2009/04/24)
香川照之、小泉今日子 他

商品詳細を見る



悪人 スタンダード・エディション [DVD]悪人 スタンダード・エディション [DVD]
(2011/03/18)
妻夫木 聡、深津絵里 他

商品詳細を見る





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
訪問者数(2/17~)
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。