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私の好きな監督 2: ジェイソン・ライトマン

久々すぎて自分でも忘れてたこの企画(笑)
今回は、タコ個人的に最もお気に入りの監督、ジェイソン・ライトマンのご紹介。

主な代表作
『サンキュー・スモーキング』
『JUNO/ジュノ』
『マイレージ、マイライフ』
『ヤング≒アダルト』


ジェイソン・ライトマンはこんなおじさん。ど~ん。
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おじさん、と言ってしまいましたが、実はこの人1977年生まれでまだ(2012年現在)35歳という非常に若い監督さんなんですよね。
その若い感性ゆえか、上で挙げた作品のどれもテーマが現代的で、作品の主人公はみんな現代的な考えを持っています。まだ20代の僕にとっては物語にすっと入っていきやすい作品が多いですね。

でも、その現代的なテーマの中で語られる人生観というかメッセージは非常に普遍的。時代の流れが早くて目が回ってしまいそうな世の中だからこそ、こういった生き方が必要なんだ!!と、人によっては少々説教臭く感じてしまう部分もあるかもしれませんが、それでも思わず「あぁ、こういう生き方が必要なんだ」と納得させられてしまうんですよね。
今どきの感性を持っている監督だからこそ伝えられる、現代社会での生き方。
この人の作品を見る度に、そんなことを思います。

と、ここまでは「なんだ、ただの説教臭い映画監督か」と思われるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。むしろ、そんなメッセージなんて感じなくても十分楽しめる映画を撮っています。
このジェイソン・ライトマン監督、実は『ゴースト・バスターズ』や『ツインズ』『ジュニア』などのコメディ映画の監督アイヴァン・ライトマンの息子さんなんですね。しかも、母親も女優さんで芸能一家で生まれ育ったんですよね。お父さんは、比較的おバカなアメリカンコメディを撮るイメージが強いのですが、息子のジェイソンは父親ゆずりコメディの感性と自身の感性が融合し、上質の知的コメディを撮ることに長けています(お父さん批判ではありません(笑))。

また、ジェイソン・ライトマン監督の作品を一つでも観たことある人は感じてると思うのですが、それぞれの作品の主人公がとても魅力的なんですよね。例えば、『ヤング≒アダルト』なら、30代にもなって頭の中が10代のまま大人に成り切れずイタい言動を繰り広げるヒロイン。『サンキュー・スモーキング』なら、軽妙な語り口ででタバコの悪いイメージを払拭しようとする宣伝マン。設定だけ聞くとめちゃめちゃ嫌なやつなのに、映画を観ているうちになんだか好感がもてて好きになってしまうんです。いや~な面を持ってる主人公を完全に嫌なやつにしてしまわない。非常に優れたバランス感覚なんですよね。ジェイソン・ライトマン監督のキャラクターに対する愛情が感じられます(笑)

とにかく、最新作『ヤング≒アダルト』もお腹いっぱい楽しませてもらいました。今一番最新作が楽しみな監督さんです。
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私は『マルホランド・ドライブ』を観た

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あらすじ:ある真夜中、マルホランド・ドライブで車の衝突事故が発生。ただ独り助かった黒髪の女は、ハリウッドの街までなんとか辿り着き、留守宅へ忍び込む。すると、そこは有名女優ルースの家だった。そして、直後にやってきたルースの姪ベティに見つかってしまう。ベティは、とっさにリタと名乗ったこの女を叔母の友人と思い込むが、すぐに見知らぬ他人であることを知った。何も思い出せないと打ち明けるリタ。手掛かりは大金と謎の青い鍵が入った彼女のバッグ。ベティは同情と好奇心から、リタの記憶を取り戻す手助けを買って出るのだが…。




タコ的点数:75点




さて、「難解な映画」と検索するとほぼ確実に名前の挙がってくるこの「マルホランド・ドライブ」。デヴィット・リンチ監督の作品の中でも1,2を争う人気を誇るこの映画ですが・・・やっぱり難解さという点では『イレイザーヘッド』を超えるものは同じリンチの作品であったとしてもありませんね。
以前も言いましたがリンチ作品では『イレイザーヘッド』を最初に観ちゃったもんですから、「この映画は難解だ!」と気合を入れて観れば、それほど難しい映画では無いなと感じました。と言いつつ、僕はしっかり2回観ましたけど(笑)
・・・もちろん、検索すればこの『マルホランド・ドライブ』のすべてのシークエンスを細かく分析してらっしゃるページもありますが、タコ個人としては「わからないところの余白が、作品に深みを持たせて良いんだよ」ぐらいに考えているので、あえて読まないようにしています。1から10まで完全解読!を期待している方は、他のページに行ってください(笑)

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まぁそれでも、一筋縄ではいかない映画であることは確かですね。中盤までは「なんだ、そんなに難しそうな映画じゃないじゃないか?」と思わせておきながら、終盤から雲行きが怪しくなりラストまで畳み掛けるように混乱させられます。そして、観終わった後、なぜかもう一度観なければいけない気にさせられました。
この映画のズルイところ(!?)って、なんだか気になってしまうエピソードやシーンなんかが多く散りばめられていて非常に知的好奇心をくすぐられてしまうところなんですよね。難解という皮をかぶっていながら、完全に観客に投げっぱなしの不親切映画とは違う、多くのヒントを提示されて、かつそのヒントを組み合わせる楽しさがある映画なんです。そりゃ、リンチファンも増えるぜ(笑)

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まぁちょっと頭を使うような映画が観てみたいと思ったなら、オススメですね。これを観ていろんな人と意見を交換したくなる、そんな映画。すっきりした映画が好きな人にはオススメしません。
最後に、この映画のストーリーを理解するためのデヴィット・リンチ本人からのヒントwikipediaから転載しときます。これを頭に入れて作品を観ると、そこそこ楽しめるかも・・・(笑)

・映画の冒頭に、特に注意を払うように。少なくとも2つの手がかりが、クレジットの前に現れている。
・赤いランプに注目せよ。
・アダム・ケシャーがオーディションを行っている映画のタイトルは? そのタイトルは再度誰かが言及するか?
・事故はひどいものだった。その事故が起きた場所に注目せよ。
・誰が鍵をくれたのか? なぜ?
・バスローブ、灰皿、コーヒーカップに注目せよ。
・クラブ・シレンシオで、彼女たちが感じたこと、気づいたこと、下した結論は?
・カミーラは才能のみで成功を勝ち取ったのか?
・Winkiesの裏にいる男の周囲で起きていることに注目せよ。
・ルース叔母さんはどこにいる?

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以下、ネタバレ

と言っても、完全解読のようなことは一切しておりませんので、あしからず。

観た人はわかると思いますが、結局のところ「夢オチ」「妄想オチ」なわけなんですよね。こう言ってしまうと身もふたもないのですが、上に挙げた10個のヒントは「そのシーンが妄想なのか現実なのか?」を見極めるポイントになってる、と僕は考えています。どこからがベティ(ダイアン)の空想でどこからが現実に起こっていることなのか?それを見極めるのがこの映画のストーリーを理解するうえでの重要な課題でしょうね。

加えて、それぞれのシーンにいったいどんなメッセージがこめられているのか・・・?なんてことも考えだしたら、あなたはすっかりこの映画の虜かも(笑)






テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『ウォール街』を観た

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あらすじ:一攫千金を夢見る若き証券マン、バド(C・シーン)は、業界のフィクサー的存在である大富豪ゲッコー(M・ダグラス)に取り入ろうと必死だった。父(M・シーン)の勤める航空会社の情報を流したことによって、その夢はかなえられ、バド自身も大金を手にするが……。




タコ的点数:70点




一昨年(2010年)に公開された『ウォール・ストリート(原題:WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS)』はこの『ウォール街(原題:WALL STREET)』の続編的扱いみたいですね。
舞台となるのは1985年。日本もまさしくバブル絶頂期であり(タコは生まれてはいませんが(笑))、金で金を動かし金が金を生む社会なわけですね。

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金の亡者であるゲッコーを演じるマイケル・ダグラスがめっちゃかっこいいんですよね。この人、『氷の微笑』とか『ゲーム』とか被害者的な役が多いイメージだったんですけど、こういうグレーゾーンにいるような知的な悪党させると素晴らしく様になってます(笑)
また、ゲッコーの一言一言が重く、金が全てである世の中での生きる術を心得ているのだろうなというのが、彼の説得力ある発言からうかがえます。「金銭欲に目がくらむ人間なんてみっともない」と思う人も少なくは無いでしょうが、はたして、彼の口から発せられる言葉を聞いてもその思いは揺らがないのでしょうか?
ゲッコーという人間、僕の中ではカリスマ性のある新たなダークヒーローとして君臨しました。すごい!!

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さて、この映画で注目すべきはゲッコーとバドの父親との生き方の対比なんですよね。おそらくは、多くの人がバドの父親の生き方が”美しい”と感じると思います。しかし、時代が時代ならばゲッコーの生き方も決して間違ってはいないとも思うのです。
観た人それぞれが、今一度人間としての生き方を考えさせられる、そんな作品だと思いました。
タコは、やっぱりバドの父親の最後のセリフが身に染みましたね・・・「(ネタバレ→)他人の売り買いではなく、自分で創れ」。

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参考映画

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マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ 他

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マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン 他

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『ゲーム』の予告編はこちら




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『4か月、3週と2日』を観た

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あらすじ: チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア、大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)とガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)は寮のルームメート同士。実はガビツァは妊娠していたが、中絶は法律で禁じられていた。中絶手術の当日、予想外の事態が重なり手術の機会を逃しそうになるが、オティリアは親友のためにある決断を下す。

『4か月、3週と2日』予告編はこちら




タコ的点数:80点




2007年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したこの作品。この映画についてのレビューを書く前に、事前に知っておく知識としてこの映画の舞台となった1987年のルーマニアの状況について少し触れたいと思います。
1987年のルーマニアは、独裁者チャウシェスク大統領が数年後に失脚、処刑される政権末期。つまり、共産主義を理想とする大統領の施策はことごとく失敗し、もはやルーマニアは破綻寸前の状況に陥っていたのです。
ストーリーの軸となる中絶に関してですが、チャウシェスク政権は労働力確保のため、最終的には避妊も中絶も禁止していたのですが、劇中の街の様子を見るとわかるように車が通るような道にもほとんど外灯は無く、国内経済はボロボロで、子供を多く作るための施策が行われているにも関わらず、子供を育てられるような社会ではないことがうかがえます。
この時代の女性たちが、妊娠することについてどのような感情を持っていたのかは想像もできませんが、「妊娠した=過ちを犯した」というようなことを劇中でも言われています。この映画の大筋でもあるように”誤って”妊娠してしまった女性の多くが危険を冒してでも中絶を望んでいたのでしょう。

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さて、物語は主人公・オリティアのルームメイト、ガビツァが妊娠してしまい、彼女の中絶を助けるためにオリティアが四苦八苦する、というものです。
この映画、当時の自由が制限された時代を批判する側面もあるにはあるのでしょうが、実際のところ焦点となるのは主人公のオリティアの行動と心情ですよね。妊娠したガビツァが本当にダメな女で、自分自身の中絶であるにも関わらず、なんだかぼけ~っとしています。中絶をするための部屋の予約もまともにできないし、中絶の必要なビニールシートは忘れてくるし、挙句の果てにはおろした胎児をオリティアに捨てさせに行くんです。こんなダメな女に振り回されて、オリティアは妊娠した本人よりも辛い目にあわされるわけです。なんで、こんなにもこのダメ女のために尽くしてあげるのか、そこには一切触れられないのですが、観ている間にだんだんとオリティアの苛立ちとか焦りの感情が手にとるようにわかってくるんですよね。
劇中、一切BGMは無くカメラの長回しを多用していて、眠気すら襲ってきかねない演出なのですが、なぜか見入ってしまいます。思うに、よく考えられたセリフと力強い演技をする女優さんがいれば、低予算で大胆な演出なしでも、十二分に観客をひきつける映画になる、この作品はその見事なお手本となる映画なのでしょう。

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観ているうちに、観客もいつのまにかオリティアと同じ感情を持って、その辛い一日を追うこととなるでしょう。
これだけ、尽くしているのになぜこんなにも報われないのかと思ってしまうストーリーなのですが、なぜか観終わった後の余韻は陰鬱なものではなく、何か胸に熱く残るものでした。そんな不思議な映画です。
「新しい女性映画」なんて予告にはありましたが、女性の感想も聞いてみたい一作でした。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『トゥルースorデア 密室デスゲーム』を観た

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あらすじ:同級生フェリックス(トム・ケイン)からパーティーに招かれた、クリス(ジャック・ゴードン)ら、5人の大学生。会場に指定された片田舎の屋敷を彼らが訪れると、フェリックスの兄ジャスティン(デヴィッド・オークス)が銃を突きつけ、全員をいすに縛り付けて監禁してしまう。何と、フェリックスはクリスたちが関係した事件で精神を病み、自殺してしまっていたのだ。その真相と自殺に追いやった者を明らかにしようとするジャスティンは、彼らに重大な秘密を告白するか、異常な試練に挑むか、どちらかの選択を強いるゲーム「真実か挑戦か」をスタートさせる。


『トゥルースorデア 密室デスゲーム』予告編はこちら




タコ的点数:15点




さぁ、最近よく見る『SAW』っぽいパッケージのサスペンス。これもそのひとつですね。最初は「どうせあんま面白くねぇだろうなぁ~」とか思って、あんまり興味が無かったのですが、以前なんとなく観た同じような白地のパッケージサスペンス『LOFT ~完全なる嘘(トリック)~』が割と良かったので、食わず嫌いならぬ観ず嫌いせず興味が湧いたら観てみようと思います。
さて、これはあんまり面白くなかったです(笑)

「トゥルースorデア」とは、イギリス版王様ゲームなんて言われています。ボトルをルーレットみたいに回転させて、当たった人が真実(トゥルース)か挑戦(デア)を選ばなければいけません。真実は聞かれた質問に正直に答え、挑戦はそれこそ王様の命令的なことをさせられるわけです。

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さて、この手の映画で「オチ」がどうこうとか「犯人の動機」がどうこうみたいな話をするのも不毛に感じられます(というか、最初っから期待していなかったり)。問題は、「密室デスゲーム」と銘打っておきながら、密室に閉じ込められてる閉塞感や監禁されているという緊迫感が一切ないことなんですよね。
目覚めたらいつの間にか監禁されていて・・・というのもよくあるのですが、この映画では銃で脅して被害者五人のうちの一人に他の四人を縛らせるという展開になるんですよね。いくら相手が軍人だからと言って五人を銃一丁でこの状況に追い込むというのは、あまりにも面白みに欠けます。
しかも、五人にゲームを強いる軍人の管理の甘さが目に余るもので、案の定被害者が次々と簡単に縛られた椅子から逃げちゃうんです。
”真実”を言わなければ無理難題の”挑戦”を押し付けるという映画を期待させておきながら、やることと言えば希硫酸か水道水かを選ばせるゲームぐらいしか無くて、B級映画と思って期待してもいまいちです。
そのうち、トゥルースorデアのゲームも関係なくなっちゃって、中盤からは完全に「どうしてこんな風ににしちゃうんだ!?」という展開です。

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ストーリーそのものもいまいち面白くなかったですね。オチを知ったら「・・・じゃあ、この約90分いったい何をやってたんだ!?」と思うような残念なものです。
「真実って残酷なものね」
ジャケットにも書いてあったこのセリフ。おそらくは、この映画の決め台詞にしたかったのだと思うのですが・・・お前が言うなよ!!と突っ込みをいれたくなりました(笑)

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参考映画

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バリー・アトゥスマ、フェジャ・ファン・フエット 他

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『LOFT ~完全なる嘘(トリック)~』レビューはこちら



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』を観た

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あらすじ:自分をハメた悪党との死闘で瀕死の重態に陥った殺し屋シェブ・チェリオス(ジェイソン・ステイサム)だったが、運ばれた病院で心臓を奪われ、バッテリー式の人工心臓を移植される。ところが、それは充電しないと止まってしまうという代物で、シェブは電流を求め、エンジンバッテリー、スタンガン、発電所とところ構わず充電するために奔走する。

『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』予告編はこちら




タコ的点数:65点




前作『アドレナリン』をはるかに凌駕するバカバカしさ!!
ジェイソン・ステイサムが割と好きなのと、前作がなかなか良かったのでこの続編も観てみましたが、内容はハッキリ言って前作とほぼ同じ。アドレナリンを分泌させながらボスを追う前作に対して、今作は充電しないと止まる人工心臓。ところどころで電気を身体に流しながら敵を追うわけですが、そこは前作よりハードル低いんじゃない?と思ったのは僕だけでしょうか?

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なんでも、脚本は前作と同じ人が書いてるそうなのですが、続編にあまり乗り気ではなくわざと無茶苦茶な脚本を書いたそうなんです。脚本家曰く、「まともな映画会社なら絶対に製作を許可しないような内容だ。おそらく、上の連中は脚本を読んでいないと思う。読んでいたら許可が降りるハズがない」だそうで。たしかに、ストーリーなんてあってないようなもので、設定から人々の行動の動機までとにかくわけがわからないんですよね。特に(ネタバレ→)発電所でいきなり巨大化して戦うシーンなんてトンチンカン過ぎです(笑)おそらくは、脚本家の方はこのシーンで「俺はマジメに本を書いていないぞ」ってのをアピールしたんじゃないでしょうか?
しかし、まぁ、人が無茶苦茶に書いた脚本をどういうわけか映像化できてしまったために、こんな他では観れないパワフルなバカ映画が完成したのでしょう。

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さて、クールな役の多いジェイソン・ステイサムがここまでバカをやってくれたことにも拍手したいのですが、それを上回るバカ以外の言葉が見つからない超汚れ役をやってくれたエイミー・スマートを忘れてはなりません。

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上画像は、彼女が映画に現れる最初の衣装です・・・マジで(笑)
この衣装からもわかるように、彼女はこの映画でのお色気専門でここまでやるか!?というほど身体を張ってくれます。はっきり言って、彼女がこの映画でまともな衣装を着させてもらうことはありません。登場からストリップを踊らされ、この黒バッテンニップレスを窓ガラスに押し付けられ、中盤にある競馬場での笑撃シーン以降はずっと股にモザイクをかけられる始末。
この人、たしか『バタフライ・エフェクト』のヒロインじゃありませんでしたっけ?割と評判のいい作品のヒロインをつとめてるんですよね。その時はほとんど印象無かったんですけど、『ミラーズ』では真っ裸で顎裂かれるわ、このシリーズでは2作連続で汚れ役をやるわ・・・”こういう”女優さんだと思ってしまいますわ(笑)
とにもかくにも、このバカバカしい作品の仕事を受けたエイミー・スマートさん、これをきっかけにコアなファンを確実に増やしたでしょうね(笑)

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参考映画

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『アドレナリン』レビューはこちら


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『バタフライ・エフェクト』レビューはこちら


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『ミラーズ』レビューはこちら




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『ドッグヴィル』を観た

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あらすじ:ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。そして、“2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。




タコ的点数:100点






上映時間177分。やっぱり、どうも長尺の映画って苦手なのです。それだけ、時間をとって鑑賞にのぞまなければならないし、なにより長いだけでつまらない映画に出会った時の疲労感と言ったらないんです(笑)
それでも、僕の好きな映画いくつか挙げるとするなら長尺のものばかりで(『ヒート』172分、『パリ、テキサス』145分)、や長尺の映画こそ気に入れば深く記憶に残る個人的名作なりえます。
この映画は、前述した長尺の上映時間ながら一時も目を離せず、強く僕の心をとらえた作品となりました。

さて、監督は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『メランコリア』などのラース・フォン・トリアー監督です。カンヌ常連の監督さんなのですが、この作品は無冠に終わったようですね。でも、今まで観たこの監督の作品の中では抜群の作品だと思いました。

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観始めてまずびっくりさせられるのが、その舞台なんですよね。なんと、孤立した村ドッグヴィルを床に書いた白線と最低限のセットだけ作っているのです。昔、駐車場とかの床にチョークで落書きして町を作って遊んだ方もいるかも知れませんが、そんな感じです。広さにして体育館より少し広いぐらいでしょうか?その中で、俳優さんたちがありもしないドアを身振りだけでで開け閉めしたり、外からは丸見えなのに壁があるかのように家の中で生活していたりするんですよね。この異常で狭い空間の中でだけでなんと177分の映画が作られたという・・・。実験的映画なんて言われてるそうですが、まさしく(笑)この映画のドキュメンタリーの予告編を少しだけ観たのですが、「もうあんな狂った監督とは仕事したくないよ・・・」なんて言ってる方もいらっしゃって、そうとうストレスになる撮影現場だったんだろうなぁ、と思います(笑)

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内容も、過去に観た同監督の作品に比べれば、わかりやすいです。もちろん、好き嫌いはハッキリ分かれるでしょうし、評価も人それぞれではあるでしょうが(賛否両論みたいな映画に関して、タコはだいたい賛の側に立ってます(笑))、物語にはすっと入っていけて、177分飽きずに観れるのではないかと思います。
さて、最後になりましたが、タコなりにこの映画にテーマをつけるなら「人間悪」ですね。閉鎖的な小さな村に一人の美しい逃亡者がやってくるのですが・・・。僕のように田舎育ちの人にとっては「わかるわかる~」とうなずく場面も多いでしょうし、学校会社なんかでもこういう閉鎖的な集団ってあるでしょうから、誰もが共感できるところが少なからずあるように思います。閉鎖的で外部からの侵入を許さない。小さな集団の悪い面だけを「これでもか!」と見せつけられるこの映画には悪意さえ感じるのですが、でも手放しで「こんなの言い過ぎだよ」と笑って見過ごせない映画でもあるんですよね(笑)
ストーリーに触れると結構ネタバレになってしまうので最小限にしておきます。序盤から中盤にかけての展開は誰もが思っている展開になるでしょう。ニコール・キッドマン演じる主人公・グレースがラストでとった行動がこの映画の評価のポイントですね。
この結末に対して、観た方はそれぞれどういう感情をもつのか・・・興味深いですね。

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参考映画

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『ヒート』レビューはこちら


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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『マンディンゴ』を観た

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あらすじ:牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……




タコ的点数:採点不可能




著者が少年時代に観て、タイトル通り“トラウマ”になった25本の映画が紹介されている、町山智浩著「トラウマ映画館」(集英社刊)に載っていた一作。以前、どこかの本屋で立ち読みして、なんとなくタイトルだけ覚えていました。
おそらく、かなりのレアもの映画だと思うので日本では観られないかなぁと思っていたのですが、なんとTUTAYAにて発見。どうやら、この一作は奇跡的にソフト化されていたらしく、タコの家の近くの小さなTUTAYAにも一本置いてありました。さすがTUTAYAさん!!

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さて、内容はというと、黒人奴隷牧場を舞台に描かれた問題作の小説の映画化なわけです。皆さんも歴史で学んだ通り、リンカーンの「奴隷解放宣言」で南北戦争が勃発して奴隷解放反対の南軍が敗北したという結果になったわけですが、その少し前の時代が舞台となっています。アメリカの映画や小説なんかでも「かつて黒人は白人たちにひどい仕打ちを受けた」なんて言う登場人物がいたりしましたが、具体的にどのように扱われていたのか、ということに関してはあまり語られた覚えはありませんよね。ジャケットには、「没落していく白人たちの姿」そのアメリカ史の暗部を克明に描いている、というようなことが書かれていました。

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導入部分から黒人が酷い扱いをされています。と言っても、無意味に暴力を振るわれたりするわけではないんです。黒人たちは白人たちから徹底的に人間扱いされないんですね。棒を投げて「取ってこい」と犬のように扱われたり、はたまた金を賭けて黒人同士で殺し合いをさせたり、家畜のように黒人を売り買いしたり・・・etc。もちろん、白人たちには差別をしているというような感情は1ミリもありません。「リウマチが治るから」という眉唾物の話を真に受けて平気で黒人の少年の腹の上に足をのっけるおじさんとか、「黒人は殴られるのが好きだ」とか言って裸の黒人女を殴る男とか、今の価値観では考えられないような行為が劇中では常に行われています。それだけおぞましい内容にもかかわらず、流れる音楽がすごく陽気な音楽だというのも不気味です。

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でも、この映画、「黒人の人権を擁護しよう」とか「差別はいけないことだ」とか、そんな安易な感情を観客に与えるような映画ではないと思うんですよね。というよりも、この映画の中で行われていることは本当に事実なのかと疑いたくなるようなこともあるんです。白人男が黒人女とどんどんセックスして、それでできた子供をどんどん売っちゃうとことか、黒人を診る医者が”獣医”だったりだとか・・・正直、当時の奴隷制度に詳しくないもので、事実なのか誇張された演出なのかどうかがよくわからないんです。
どちらにせよ、この映画の内容をそのまま真に受けて「奴隷制度なんて最低だ!」という感想を持ってしまうことも危険な感じがしました。
奴隷制度を問題視した映画に見せかけた、何かしら観た人の暗部を抉り出して表出させかねない、そんな凶悪さすら感じる映画でした。

・・・たしかに、子供のころに観てたらトラウマになる映画だな(笑)




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『ロード・オブ・ウォー』を観た

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あらすじ:レストランで働く平凡な男ユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、偶然銃撃戦に巻き込まれたことから、武器商人として生きていく道を思い立つ。弟のヴィタリー(ジャレッド・レト)とともに武器売買の事業を始めるが……。

『ロード・オブ・ウォー』予告編はこちら




タコ的点数:70点




最初に言っておきますが、この映画はジャケットに書いているようなアクション・エンタテインメントではありません。
内容は、世界中に戦争のための武器を売る武器商人のお話。ピカレスク映画(悪者映画)とでもいいましょうか。

『トゥルーマン・ショー』『TIME/タイム』『ガタカ』に引き続き、アンドリュー・ニコル監督の作品をまたまた観たわけですが、これもなかなか面白かったですね。

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主人公である武器商人は、決して戦争を好んでいるから武器を売り続けるわけではないんですよね。それでも、武器を売り続ける理由とは?それは(ややネタバレ→)武器の売買が自分の天職であると考えているからなのです。こういう善悪のどちらでもないような二律背反的なキャラクターって見ているだけで楽しいんですよね。
戦争がおこることを望んでいるわけではない。しかし、武器売買をやめることもない。武器商人本人から言葉巧みに語られるその善とも悪ともとりがたい心情。それこそが、世界の本当の姿なのかな、と思うんですよね。
・・・しかし、まぁ過去に何度も語られたであろう善悪の区別のない世界観を、それほど強いメッセージとして突きつけられるわけでもなく、そのメッセージも考える余地のないまっすぐなもので、そんなに難しい映画ではなかったです。どちらかと言えば骨太エンタメとしての顔が強い映画だと思われます。

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モデルとなった実在の武器商人・ビクトル・ブート被告今年の4月7日に懲役25年の刑が言い渡されたそうです。その他、多数の武器商人の実態をリサーチしてこの映画は作られたそうです。
武器商人、というとても想像できないような職種の実態を垣間見ることのできる、一際変わった映画です。

それにしても、『ガタカ』の時にも見たイーサン・ホーク・・・かっこいいなぁ(笑)今更ながらファンになりそうです(笑)

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参考映画


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ジム・キャリー、エド・ハリス 他

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私は『桐島、部活やめるってよ』を観た(ネタバレあり)

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あらすじ: とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。

『桐島、部活やめるってよ』予告編はこちら




タコ的点数:88点




さて、最初に言っておきましょう。
高校時代に<上位>グループにいた、もしくは、自分は<上位>グループにいたと思っている人は、この映画を本当に楽しむことはできません。
と、言い切ってしまうのもいかがなものかと思うのですが(笑)
少なくとも、なぜ桐島が部活をやめたのか?という視点で観ていてはいけません。ラストであっけにとられてしまうでしょう。
ちなみに、同じ会場にいた他のお客さんの多くは「どういうこと?」と首をかしげながら劇場を後にしていました。ただのさわやかな青春映画だと思って観ていると、痛い目にあうかも知れません(笑)
タコは原作未読ですが、非常に楽しめました。

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この映画で描かれるのは学園内に存在する目には見えないヒエラルキー
<上位>・・・部活の主要選手だったり、クラスでも目立つ、イケイケの生徒たち。
<下位>・・・クラスでは地味で<上位>の人間からバカにされる、オタクのような生徒たち。
このどっちにも属さない<中位>のような人もいたような気もしますが、おおざっぱに分けるとこんな感じです。タコは、学生時代には<下位>にいたような人間だったと自覚しております。
この、<上位><下位>の関係が残酷なまでにリアルに描かれているんですよね。「あぁ~いたいたこんなやつ!!」とか「あぁ~自分にもこんな経験あるわぁ~」とか、過去の記憶に突き刺さるようなエピソードの数々を観ていて、不思議と「苦面白い」ように感じるんですよね(笑)

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登場人物がたくさんいるのですが、それぞれにキャラ付けがしっかりとされていて、少なくとも誰が誰かわからなくなるようなことはありません。個人的には、神木隆之介君演じる前田はかなり好きなキャラです。というのも、彼は根っからの映画オタクでジョージ・A・ロメロとかタランティーノの話を熱心に語るシーンなんかは、同じ映画好きとして思わず微笑んでしまい、非常に好感をもてましたね(笑)
ちなみに、タイトルにもある桐島は作中には一切出てきません。ただ、<上位>グループにいた桐島が消えた、という事実だけがあるだけです。(”<上位>グループにいた”桐島が消えた。これ、この映画のポイントですよ(笑))

ポスターにもある「全シーン全カットを見逃すな!全登場人物、全時間がラストに繋がる!」というのは、ウソじゃないですね。リアルな高校生活を外側から観るせっかくの機会(笑)全ての登場人物を注意深く観察して観るべし(笑)
ラストの映像を観て、あなたはいったい何を思う!?(笑)










以下ネタバレ

あくまで個人的解釈です。
結論から言うと、この映画は生徒たちの”アイデンティティの崩壊”が描かれているのだと個人的には考えています。そして、この映画の隠れた主役は野球部の幽霊部員、東出昌大演じる菊池宏樹であり、彼が”自分”というものが無いことに気が付き挫折してしまったというところで映画は幕を閉じます。詳しく書きましょう。

まず桐島という存在はいったいなんだったのでしょうか?
映画で語られる桐島。彼はバレー部のキャプテンで県代表に選ばれるほどの実力。成績も優秀。桐島の彼女は校内でもトップクラスに人気の女子。それ以外は何も語られません。しかし、彼は校内でも<上位>グループの中でも一際注目を集める人物だったことが想像できます。彼の存在というものは<上位>グループにとって重要なものでした。あるものにとっては、「桐島の彼女である」という”自分”を証明する人物であり、あるものにとっては「桐島の親友である」という”自分”を証明する人物であり、あるものにとっては「桐島と共にプレーするチームメイトである」という”自分”を証明する人物であり・・・etc。<上位>グループは、桐島という人物を通して校内での”自分”を認識していたのだろうと考えられます。ある意味、<上位>グループの人間にとって桐島は”神”のような存在だったのでは・・・というのは言い過ぎかもしれませんが。

桐島が”<上位>グループにいた”というところがポイントだと前述しましたが、桐島がいなくなったことが原因で人間関係や普段の生活が破綻していったのって<上位>グループやそれらの人間と親交のあった人間だけなんですよね。一方、<下位>グループ(この映画では主に映画部)は、桐島がいなくなったことに関しては無関心。彼らにとっての目前の問題は「撮りたい映画が撮れない」ということなのです。

さて、全編わたって”桐島”がいなくなったことで崩れていく日常が描かれ、ラストには桐島がいるかもしれないと<上位>グループが映画部が撮影する現場にぞろぞろとやってくるわけです。映画部は、<上位>の身勝手な行動で撮影を邪魔され、手作りの隕石も壊されてしまいます。土足で<下位>グループの領域に踏み込んできた<上位>グループに対して、神木隆之介君演じる前田涼也は反撃をしかけるわけです。
ここからが誰もがあっけにとられる展開。なんと、8ミリの映像の向こうにはグロテスクにゾンビに食われる<上位>グループの面々が!!ついでに言えば、そのバックで流れる音楽は<上位>の菊池宏樹に思いをよせながらも、残酷な形で失恋してしまった<下位>の沢島亜矢の所属する吹奏楽部の演奏。
一体、これは何を観ているんだ!?この謎は、同じ時の菊池宏樹のパートで明かされます。

菊池宏樹が屋上に行く前に野球部キャプテンに会います。そこで、「なんでまだ野球なんてやってるんですか?」聞く宏樹に対してキャプテンは「ドラフトが終わるまでやろうかな・・・と思って」と答えます。もちろんキャプテンはスカウトの目にかかるほどの実力はありません。なのに、まだ野球を続けようとしている。宏樹は理解できません。その後、屋上での騒動の後、カメラの部品を拾った宏樹が涼也に問います。「将来はアカデミー監督?」それに対し、涼也は「それは、無いです」と答えます。
涼也がなぜ映画に熱心なのか?それは、叶わないであろう夢と自分の撮っている映画が繋がっているかもしれないという感触があるからなのです。これは先ほどのキャプテンとのやりとりにも通じます。また、吹奏楽部の沢島亜矢にも、吹奏楽に対する思いがあり「部長の私がふらふらしてちゃダメなの!」と残酷な光景を見とどけ、練習に向かいます。つまり、彼らは自分が何に夢中になれるのか、何に対して情熱を注ぐのか、ということを自ら理屈と共に理解しており、これこそが”自分”であるということを知っているのです。あのゾンビ騒動(そのあと映画部が正座させられてるところから、バレー部の奴らにコテンパンにされたことがうかがえますが)は、”自分”を持つ<下位>の生徒たち、つまり映画部と吹奏楽部によって作られた、桐島がいないことで”自分”を見失い不安と虚無感に満ちた<上位>を事実上「食い殺した」ことを暗示する映像だったのではと考えています。もしくは、吹奏楽部の後輩が「今の演奏最高じゃなかった!?」と言っていたように、涼也にとってもあのゾンビ映画は彼の中にある最高の映像だと考えられます。あのゾンビ映像は最高の自己表現の形で<上位>を圧倒したということを示唆した映像、と考えてもいいかもしれません。

その後、逆に質問する形で涼也からカメラを向けられる宏樹は泣きながら屋上を後にします。部活にもほとんど顔を出さない、自分は何に情熱を向けるのか?その方向性がわからない。”自分”とは何かがわからない。そのことに気づかされた宏樹はさらなる不安に陥ります。そんな中、彼は頼みの綱である桐島に電話をします。
・・・桐島にもつながらない。・・・向こうには練習に励む野球部の姿。
彼の不安は解消されないまま、映画は幕を閉じるのです。

という、なんとも悲しい終わり方だったのですが、この映画の中で唯一生き方を変えようと決心し、前に進めるのは宏樹だけでしょう。そういう意味では、ハッピーな終わり方だったのかもしれません。


と、長々とここまで読んでくれた方には感謝したいです。
細かいセリフとかうろ覚えなので間違ってるところもあるかと思いますが、ご了承願います(笑)






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テーマ : 映画感想
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プロフィール

タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

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