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私は『告発』を観た

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あらすじ:死刑確実と言われていたアルカトラズ刑務所内で起こった殺人事件を担当することになった若き弁護士ジェームスは、犯人の囚人ヘンリー・ヤングを調べていくうちに彼の有罪に疑問をもつようになっていった。やがて彼はアメリカ合衆国に真っ向から闘いを挑んでゆく……。




タコ的点数:100点




久しぶりに出会いましたね。個人的に言う「なんで今まで観てなかったんだ映画」です。ホントに心から感動する一作となりました。
物語の舞台は、現在では世界的な観光名所となっているアルカトラズ刑務所。かつては、アル・カポネなどの悪名高い悪党が収容されていたこともあり、脱獄は絶対不可能とまで言われた鉄壁の監獄。しかし、その中で行われていた囚人たちに対する仕打ちは、目を覆いたくなるほどの酷いものだったのです。
本作は、アルカトラズ刑務所を閉鎖にまで追い込んだ実際の裁判をベースに、若き弁護士と囚人の友情を描いた重厚なドラマとなっています。

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囚人のヘンリー・ヤングは、刑務所内である一人の囚人をスプーンでのどを突き刺し殺害します。目撃者があまりにも多く敗訴確実の裁判に若き弁護士ジェームスは、担当を任されます。そして、だんだんと調べていくうちにヤングの殺人に関して疑問を持つようになるのです。もしかすると、アルカトラズ刑務所がヤングという殺人鬼を作ってしまったのではと・・・。
真実を突き止めるために、様々な人に証言を求めます。しかし、それもなかなか思うように進まない。というのも、アルカトラズの内部について知っているのは、アルカトラズの囚人だけなのですが、彼らもアルカトラズの副所長に口止めされている始末。さらに、当の殺人容疑者であるヤングは、精神的に自失してしまっている状態で、まともに話を聞ける状態ではない。もともと、敗訴確実と言われていた裁判であるうえに思ったように証言は得られず、困惑してしまうジェームス。
唯一の糸口であるヤングから話を聞くために、少しずつ時間をかけて歩み寄るのです。

実際にアルカトラズ刑務所を閉鎖させた裁判が題材になっている事も興味が魅かれるのですが、やはり、この映画の一番の見どころはジェームスとヤングが少しずつ心を通わせていくその過程だと思います。ジェームスの求めるものとヤングの求めるもの。その二つが最初はかみ合わないのですが、徐々に心を通わせるうちに互いに足りないものを埋めあっていくその過程は、本当にうまく描かれていると思います。
ラストに二人が得たものは・・・。本当に温かい涙が出る作品でした。

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俳優さんも好きな方ばかりだったんですよね。クリスチャン・スレーター、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・オールドマンと僕好みの俳優さんばかりでした。特にケヴィン・ベーコンが上手い!!引き寄せられる演技、ってこういうことを言うのかな、っていうぐらいの名演。やっぱり素晴らしい俳優さんですよね。
知り合いの映画好きの人には「え!?逆に観てると思ってた!」と言われたぐらいの作品。名前だけはずっと知ってたんですけど、後回しにしてたんですよね・・・。でも、長く映画を観ていてたら、たまにこういうド名作に触れられるから映画ライフはやめられないんですよね。後回しにしてる作品の中に、こんな名作があるのかもしれないと思うと、まだまだワクワクします。

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私は『ビル・カニンガム&ニューヨーク』を観た

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あらすじ:1929年生まれのビル・カニンガムは、ハーバード大学を中退してニューヨークに移り住み、広告業界に足を踏み入れる。その後、帽子のブランドを立ち上げるものの一時兵役に就き、除隊後は再びニューヨークでファッション関連の記事を執筆するようになる。やがてカメラ片手に自転車で街に出て、精力的にストリート・ファッションの撮影を始める。




タコ的点数:90点





僕自身、ファッションにそこまで興味はないし、もちろんこのビル・カニンガムという人の存在も知りませんでした。それでも、”何かを極めた人の話や考え方は、全てのことにつながる教訓になる”というのが僕の心情なので、やっぱり知らない人でもドキュメンタリーって結構好きなんですよね。
80歳を超えてなお、街を自転車で駆け回り、ニューヨーカーのファッションをそのカメラに収め続けるニューヨークタイムズのカメラマン、ビル・カニンガムを追ったドキュメンタリーです。

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ビル・カニンガム。とにかくファッションが好きで、ニューヨーカーのファッションを撮り続けるその仕事を何よりも愛している。セレブも一般人も関係なく、とにかく自分の気に入ったファッションだけを撮るその姿勢を徹底している。とあるファッション雑誌の編集長に「私はビル・カニンガムのための服を着ている」とまで言わせるほど、ニューヨークでの彼の影響力はすごい。
そのくせ、自分はボロボロの青い上っ張りを着続け、雨合羽はガムテープで補修して使いづ続ける。自宅には、これまで撮った写真をしまうラックで埋め尽くされて最低限の寝るスペースがあるだけの簡素な部屋。食にも興味はなく、「珈琲は安ければ安いほど良い」と言い、食事はいつもファーストフード。とにかく、ファッション以外に興味は一切なく、ファッションだけを愛してカメラを構え続ける。

と、文章にするといかにも職人カメラマンみたいなイメージになっちゃうんですが、ところがどっこい、ビル・カニンガムというこのおじいちゃん、ホントに楽しそうにファッションスナップを撮るんですよね。そして、その姿が子どもみたいで愛らしいんです。
人生において、他を捨てても良いぐらいたった一つ好きなものがあって、それに向き合って長年生きてきたビルの姿はうらやましい以外の何物でもないんですよね。

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とにかくファッションのことしか考えられない老年カメラマンの姿はなんとも言えない好ましさがあります。
この映画を観れば、ファッションに興味の無い人でも、このビル・カニンガムという人間を好きになることは間違いなしです。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観た

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あらすじ:1999年4月20日、アメリカ・コロラド州の小さな町リトルトン。2人の少年は朝の6時からボウリングに興じていた。いつもと変わらぬ1日の始まり…のはずが、この後2人の少年は銃を手に彼らの通う学校、コロンバイン高校へと向かった。そして、手にしていた銃を乱射、12人の生徒と1人の教師を射殺し23人を負傷させた後、自殺した。マイケル・ムーアは問う、“なぜアメリカはこんなにも銃犯罪が多いのか”と。その疑問を解消するため、マイケル・ムーアはカメラとマイクを手に様々なところへアポなし突撃取材を始めるのだった。




タコ的点数:75点




二人の高校生がが銃を乱射、12名の生徒および1名の教師を射殺し、両名は自殺したというコロンバイン高校銃乱射事件。『エレファント』では、この惨劇を内側から描いていたのに対して、これは完全に外から描いた作品。
なぜ、アメリカではこんなにも銃犯罪が多いのか?
なぜ、アメリカ人はこんなにも銃を持ちたがるのか?

銃が身近には無い日本人には特に理解できないアメリカ特有の銃社会に対して、真っ向から立ち向かうのはマイケル・ムーア監督。彼自身ももともとNRA(全米ライフル協会)の会員だったのですが、それだけに切り込むところが興味深いですね。Kマートに乗り込んだり、NRAの会長の家に突撃取材したり、やることは相変わらず無茶苦茶ですね(笑)

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まず、しょっぱなから銀行で口座を開くとライフルをプレゼントしてもらえる、という事実が突き付けられます。アメリカではこんなにも銃が身近なものなんですね・・・。
そんな手軽に銃が手に入る社会なわけですから、高校生が銃を手に入れるのだって簡単なはずです。
また、アメリカ人は異様なほど銃を欲している、ということです。自分や家族の命を守るため、だとか、法律で権利が認められているから、など理由は様々ですが、アメリカ人はみんな銃に対する信頼は厚く、多くの人が銃を求めている事実が明らかにされます。

お隣の国カナダと比べても、アメリカ人の銃に対する執着はすさまじいものだと思います。観ていて一番怖かったのは、多くのアメリカ人が銃を欲する理由がほとんどわからない、ってことなんですよね。
理由は様々なのに、そこに共通点が一切見当たらない。”なぜ、銃を持つのか?”という問いに対して、みんな銃を持つのに各々勝手な理由をつけているだけのように感じてしまいます。テレビや冷蔵庫のように、アメリカでは銃が当たり前のような存在になってしまっているという事実が恐ろしかったです。

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内容はかなり偏ったものだと思いますが、非常に興味深い題材であることは間違いありません。一度観てみる価値は十二分にあると思います。

・・・ひとつ、貧困の母親がなぜ働かなくちゃいけない?、という場面があったんですが、そこだけ何が言いたいのかよくわかりませんでした・・・。

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参考映画

エレファント デラックス版 [DVD]エレファント デラックス版 [DVD]
(2004/12/03)
ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト 他

商品詳細を見る

『エレファント』レビューはこちら




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』を観た

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あらすじ:世界に新しいファッションを提示し、20世紀のファッション界に多大な影響を与えた名エディター、ダイアナ・ヴリーランド。「Harper's BAZAAR」で25年にわたり辣腕(らつわん)を振るい、その後も「VOGUE」の編集長として多くの才能を世に送り出し、時代の寵児(ちょうじ)としてその名をとどろかせてきた。彼女の人生と美意識のルーツを、記録映像に本人や関係者たちの証言などを交えて解き明かす。




タコ的点数:60点




50年にわたりファッション界に君臨したダイアナ・ヴリーランド。貴重なアーカイブ記事や数々のセレブの証言から、彼女の伝説の生涯と創造の秘密に迫るドキュメンタリーです。
とは言え、私タコはファッションと言うものにそれほど造形が深いわけではなく、もちろんこのダイアナ・ヴリーランドという人はこの映画を観るまで一切知りませんでした(笑)
でも、やっぱりどんなジャンルにしてもある一つのことを極めたホンモノのスペシャリストっていうのは、どんなことにも通じる哲学を持ってるものですよね。「事実は小説より奇なり」とは少し違いますが、実際に第一線で活躍した人物にはすごく興味がわきますよね。

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面白かったのは面白かったんですが、やっぱり残念だったのは非常にアーカイブ的なつくりになってたことですね。本人の言葉は、自伝出版のためのインタビューだけ。それ以外は、関係者の証言やアーカイブ映像ばかりで、いわゆるダイアナの人生を追っていくだけの記録的な映像の連続、という流れなんです。たしかに、ダイアナがどのような人生を送ってどのような功績をファッション界に残してきたのか、ということも興味深い話なんですが、やっぱり、ダイアナの内面にもっと触れる場面が欲しかったなぁと個人的には思いました。

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ダイアナに関して興味深かったことは、”自分は醜い”ということを自覚していたこと。それだけにファッションなどの美しいものに対して非常に興味が強かったことは、非常に考えるところがありました。
あと、彼女の”ファッション”というものに対する姿勢。彼女は徹底してファッションというものに対して芸術性と非現実性を求めていたんですね。そして、人々が”着飾る”という行為そのものに時代を変える可能性を見出していたのです。その姿勢がファッション業界に変革をもたらす結果となったわけです。

似たような服装の人々が町中にあふれる昨今。少しだけ、自分のクローゼットを見直してみようかと思いました。

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私は『スーパーサイズ・ミー』を観た

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あらすじ:肥満症に悩む女性2人がその原因をファーストフード店のハンバーガーにあると訴えた報道を見たモーガン・スパーロック。彼は自らが実験台となり、1日3食1か月間ファーストフードだけを食べ続けることを決意する。




タコ的点数:65点




監督自らが実験台となり、1日3食1か月ファーストフードだけ食べつづけるという衝撃のドキュメントです。いやぁ~、観ているだけで気分悪くなりますね~。なんでも、この作品がサンダンス映画祭で上映された後、実際にアメリカのマクドナルドからスーパーサイズ(ラージサイズよりも大きいサイズ)が無くなったそうです。
もちろん、”映画”という媒体自体が商業目的のメディアなので、この作品のリサーチ内容をそのまま鵜呑みにしちゃうってのは、やっぱり違うんですけどね(笑)それでも自分の食生活を見直すには、暴力的なほどインパクトのあるドキュメントであることは間違いないですね。

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実際に30日毎日マクドナルドで、映画の内容のような弊害が人体に起こるかどうかは別にして、観ていて気持ちのいいものではないんですよね、やっぱり(笑)
アメリカの食生活って、実際にファーストフード中心なのは自明のことですし、実際僕もアメリカのマクドナルドで食事したことあるんですが、確かにそのサイズがめちゃめちゃでかいんです。普通のMサイズでかなりのボリューム(笑)その2回りも大きいスーパーサイズなんて、想像するだけで確かにゲロ吐いちゃいそうです・・・(笑)

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あと、コレ観てて思ったのが・・・ファーストフードの不潔感ですよね(笑)
劇中でもちぢれ毛が入ってたりしてたんですけど、そういうのを抜きにしても、アメリカのハンバーガーってなんかグロテスクに見えました。
やっぱり、日本って比較的”食”に関しては気を使ってる国なのかなぁ~・・・なんて思いました。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

私は『孤島の王』を観た

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あらすじ:1915年、罪を犯した元船乗りの少年エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が、ノルウェー本土からバストイ島に送り込まれてくる。外界から隔絶されたその島には、11歳から18歳までの非行少年を更生させる施設があり、少年たちは過酷な重労働を課せられていた。かなり高圧的な院長(ステラン・スカルスガルド)や寮長(クリストッフェル・ヨーネル)への反発と脱走を繰り返すエーリングの姿は、抑圧された少年たちの心を突き動かしていく。

『孤島の王』予告編はこちら




タコ的点数:70点




ノルウェーに存在する監獄島、バストイ島で20世紀初頭に起きたとされる暴動を映画化された実録サスペンス。
なんでも、世界有数の福祉国家として知られるノルウェーにとっては、この事件は黒歴史だそうで。ゆえに、ヨーロッパ全土ではかなりの称賛の声があったみたいです。
さて、内容からしてなんとなく裏の歴史を切り取った社会派の映画のように思えるのですが、実際観てみるとそんな印象はあまりありませんでした。どちらかと言うと、エンタメ性の強い作品だったと思います。そんな言葉があるかどうかは知りませんが、ロマンサスペンスとでも言いましょうかね(笑)地味な作品ではありますが、結構感動できました。

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ところどころで現れるクジラの映像とそのエピソードが表すように、この映画を観て感じたのは、登場人物たちのあふれ出る生命力と闘争心です。閉塞感漂う大人たちの管理と孤島の監獄。また舞台がノルウェーのオスロ沖の孤島ということで、映像からして寒いんです。しかし、主人公であるエーリングが孤島に来たことにより、それまで冷え切っていた青年たちの生命力が燃え上がるんですね。吐き出す白い息も、逃亡のために走る姿も、叫びだす声も、全て命の炎が燃え上がるかのように熱く感じられるんです。
その姿に、観ているこちらも思わず熱くなってしまうほど。なんか久しぶりに胸を震わされた映画でしたね。

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物語はそんなに珍しいものではないですし、展開もおそらくは予想の範疇。
この映画は完全に演出と言うか、映像にやられてしまいましたね。良かった。

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私は『ゼロ・ダーク・サーティ』を観た(ややネタバレあり)

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あらすじ: ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤ(ジェシカ・チャスティン)が加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功するが……。


『ゼロ・ダーク・サーティ』予告編はこちら




タコ的点数:90点




9.11全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの指導者、ビンラディンの殺害計画が題材のサスペンスです。アメリカでは公開直後の大統領選に影響があると言われたり、CIAの情報漏えいなど、いろいろな面で問題視された作品です。
ビンラディンを追い詰めた一人のCIA女性分析官を中心に、世界を驚愕させたCIA VS テロリストの戦いが描かれています。脚本家による時間をかけた徹底した取材により、CIAによるテロの容疑者への拷問、CIA関係者しか知らない情報、またシールズによる隠密作戦の裏側など、かなり事実に忠実な内容かと思われます。
・・・とはいえ、ドキュメンタリーではないですし、視点は常にCIA側、一切のドラマ性を排除した内容とも言えませんので、はたしてどこまで、真実なのか・・・?ということを考えても仕方ないと思うので、そこは度外視していきましょう。

さて、あらすじや設定だけをみるとなんだか「アメリカ万歳」なテロリスト弾圧を称賛するプロパガンダ映画かと思うかも知れませんが、決してそうではない、ということだけ言っておきます。
あくまで僕が感じたことですが、この作品は徹底して「アメリカ人のテロリストに対する憎悪と怒り」が描かれた作品であると思います。

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余談になりますが、アメリカの映画産業を語るうえでよく挙がるのが「フィン・シン・ルール(Fin Syn Rules)」ですよね。簡単に言うと、アメリカの国家戦略として映画産業発展を支える映像制作の担い手を育てるために、テレビ局などの大きなネットワーク機関が自社制作番組ばかり作らないように、ハリウッドの映画スタジオや番組制作会社などから一定時間の番組を買わなければいけない、などの規制をかけたわけです(ちなみに、この規制は1995年に廃止されていますが、その名残で今でも映像制作会社の力はかなり大きいみたいです)。
そもそも、アメリカでこのような規制ができたきっかけと言われるのが、1917年に第1次世界大戦に参戦したことなんです。アメリカは、この参戦は自由と民主主義のための参戦であると正当化し国内外に広くアピールする必要がありました。そして、そのためには、国内の世論形成と同時に世界にアメリカ文化を理解してもらう必要がありました。そこで目を付けたのが国内外に広く影響力のあるメディア、映画だったわけです(参考図書:谷國 大輔 著「映画にしくまれたカミの見えざる手」講談社+α新書)。
つまりは、かつてアメリカは映画産業を「アメリカの正義」をアピールするために用いたのだと考えられます。

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そんなアメリカ映画の歴史を考えると、この映画は当初アメリカが映画というメディアを用いてアピールしたかったこととは全く逆のことを描いているのではないかと思うのです。
「本当にアメリカに正義は存在するのか?」そんなことをこの映画を観て感じました。
主人公の女性分析官・マヤを中心に、この映画の登場人物たちは、序盤こそ自らの使命として、もしくは仕事としてテロリストを追っていたのかもしれません。しかし、物語が進むにつれその心情は変化していき、最終的にはテロリストを追う理由が正義や使命ではなく「個人的な恨み」へと変わっていくのです。
「ビンラディンを殺して。私のために」←これがかなり印象的なセリフでした。
アメリカの大統領がテロリストの話をするたびに「正義」という言葉を発していましたが、実際の現場には「正義」なんて心情は存在しなかったわけです。誰もが、個々の感情に突き動かされてテロリストを追っていたわけです。
そして、ラストシーンも非常に印象的でした。憎悪に駆られてビンラディン殺害に成功したマヤ。しかし、本当にこの負の連鎖はいつか終わりが来るのか?そんなこと思わせるラストだったのかもしれません。

正直なところ、前半はかなり眠気が襲ってきましたが、中盤からの畳み掛けはお見事。緊張感の張りつめたクライマックスまで見ごたえ十分。サスペンス映画としてもかなり良い作品だと思います。
ビンラディン暗殺が2011年。そんなとんでもないタイミングで作られた今作。アメリカ人女流監督キャスリン・ビグローが伝える”今”のアメリカ。はたして、皆さんにはどのように映るのでしょうか?

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参考図書

映画にしくまれたカミの見えざる手 ニッポンの未来ぢから (講談社プラスアルファ新書)映画にしくまれたカミの見えざる手 ニッポンの未来ぢから (講談社プラスアルファ新書)
(2009/06/19)
谷國 大輔

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私は『カレンダー・ガールズ』を観た

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あらすじ:アニー(ジュリー・ウォルターズ)の夫が他界し、クリス(ヘレン・ミレン)は、女性連盟が毎年制作するカレンダーの収益で彼の居た病院への寄付を提案。売上を伸ばすため、彼女たちが思いついたのは自らがヌードモデルになることだった。




タコ的点数:70点




50歳を超えた奥様達がヌード写真のカレンダーを発売する、と言うお話。1999年に発売され、30万部のセールスとなった世界初「婦人会ヌード・カレンダー」の発案者となった女性たちが主人公なわけですね。
実際に高齢の女優さんたちがヌードになって体を張った演技を見せてくれますが、大事なところは見えないので大丈夫(何が。笑)

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さて、設定だけみるとヌードカレンダーを発売して大ヒットするまでのサクセスストーリーのように思われるんですが、大ヒットするのは中盤あたりで、注目すべきはヌードカレンダーが大ヒットした後からの女性たちの姿だと思いました。大ヒットしたことでイギリスの田舎町に住む彼女たちは一躍アメリカからも注目を集めるスーパースターになるわけです。逆にヌードなんかやるわけですから、当然周りにはからかいの眼や冷たい眼差しがあったりするわけですよね。家族は家族で恥ずかしい目にあったりして。それらの視線に対するそれぞれの振る舞いが楽しいんですよね。
そもそもヌードカレンダー製作も”思いつき”だったわけですから、これだけカレンダーで成功したことが意外で浮かれてしまうのも仕方がないとは思うのですが・・・その彼女たちの行く末はなかなか感動的なものでした。

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さて、全体的にコメディ調で肩の力を抜いて楽しめます。さらに、ラストは意外と感動してしまいました。
思わず「あぁ、こんな旦那になりたいなぁ」と主人公クリスの旦那のカッコよさに惚れてしまいました(笑)
なかなかの良作。

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私は『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』を観た

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あらすじ: 1950年代、アメリカ。ジョニー(ホアキン・フェニックス)はレコード会社で飛び込みのオーディションを受け、合格する。妻子を残し全米ツアーに出た彼は、憧れのカントリー歌手、ジュ-ン・カーター(リース・ウィザースプーン)と運命的に出会うが……。

『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』予告編はこちら




タコ的点数:70点




いやぁ~いいですねぇ。
おそらく、多くの男のツボでありましょう。クズみたいなダメ男とそれを温かく見守るタフで優しい女性のラブストーリーです。『バッファロー’66』的な感じですね。いやぁ、好きだ。

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実在した1950年代のカリスマスター、ジョニー・キャッシュの生涯に迫った真実の愛の軌跡。タコは、ジョニー・キャッシュという方を知りませんでしたし、カントリーやロカビリーに関しては、ずぶの素人でございます。
それでも、ところどころで流れるライブ映像は非常に楽しめました。なんでも、ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンの2人が劇中で熱唱する歌はすべて吹き替えなしの本物だそうです。実際にジョニーキャッシュが歌っているものと聴き比べてみましたが、そっくりそのままモノマネしているわけではなく、ホアキン本人の魂のこもった彼自身の歌であり、ホントに聴き惚れてしまいました。もちろん、ウィザースプーンの歌声も良かったです。アカデミー賞最有力候補作というのも納得。

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しかしですねぇ~、個人的にはやっぱりジョニー・キャッシュの元奥さんがめっちゃかわいそうだなぁという気持ちが、エンディング後もぬぐえませんでしたねぇ(笑)
こんなに最低な男でも、スターであれば幸せになれるのかよ!?と、少しの憤りが残ってしまいましたが・・・まぁ良い映画です(笑)

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参考映画

バッファロー'66 [DVD]バッファロー'66 [DVD]
(2000/03/17)
ヴィンセント・ギャロ、クリスティーナ・リッチ 他

商品詳細を見る

『バッファロー'66』のレビューはこちら




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私は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観た

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あらすじ:キューバ音楽に魅せられたヴェンダースとライ・クーダーが綴る感動の音楽ドキュメンタリー。ライ・クーダーがキューバ音楽の古老たちと創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、世界中で100万枚以上のセールスを記録し、97年のグラミー賞を受賞した。ハバナの情緒豊かな街並み、アムステルダムでのコンサート、ニューヨーク・カーネギーホールの歴史的ステージ、そして人生の哀歓がセクシーな音楽とともにフィルムに収められている。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』予告編はこちら




タコ的点数:95点




世界で400万枚を売り上げたキューバ音楽の同名アルバムのレコーディングからカーネギーホールでのコンサートまでを追ったドキュメンタリー映画です。
タコは、このアルバムの存在だけは知っていたものの、もちろん持ってないし聴いたことはないし、ましてや、キューバ音楽に関しては全く無知の素人です。そんなタコでも、月並みなことを言わせてもらえば、キューバ音楽が好きになったし、このアルバムが欲しくなりました。

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このアルバムでの演奏者は、一番若い人で1946年生まれ(アルバム発売当時で52歳ぐらい)という超高齢プレイヤーばかりなんです。

かつての伝説的なキューバ音楽奏者も今ではすっかり過去の人。プロデューサーのライ・クーダーはそんな円熟したプレイヤーたちを集め、キューバ音楽のアルバムを作ることを思いつく。そこから、このアルバムの物語は始まったわけですね。

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劇中では、80歳をゆうに超えたプレイヤーたちが自分の人生や音楽との出会いなどを語ってくれます。個人的にクラシックギターをたしなんでる立場として、彼らの音楽との向き合い方や考え方の話を聞くことは非常に興味深かったです。そして、彼らの話ぶりから感じられるキューバの国民性、そんな人々のいる土地で生まれたキューバ音楽の魅力、そのキューバ音楽をバックに流れる美しい街の風景・・・etc。あえてドラマチックな演出にせず、ナチュラルな姿をフィルムに収めた、ヴェンダースの手腕によって、ラテンファン以外の人々をも引き付ける魅力たっぷりのドキュメンタリーになっています。やっぱ、ヴェンダース、趣味がいいぜ(笑)

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個人的に一番好きになったのが、ルーベン・ゴンザレスという老ピアニスト(上画像)。インタビューでの彼は、いかにもラテンらしい大きな手振りと口ぶりなんですが、いざステージに立つと非常に謙虚な立ち振る舞いになるんです。そして、そのステージでの彼の演奏がまた鳥肌がたちました。情熱的で繊細。彼のソロアルバムもあるみたいなので、ぜひ手に入れたいですねぇ。

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20代の僕なんかよりたくさんの人生の辛酸を味わってきた老プレイヤーたちが、ステージ上では笑顔で無邪気に音楽と戯れる。それを見ていて、息が詰まりそうになるこの感覚。これを幸福と言わずに何と言いましょう。円熟したキューバ音楽のプレイヤーたちによる贅沢な時間を与えてくれる極上のドキュメンタリー。オススメです。
あぁ、こんな老人になりたい・・・。



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プロフィール

タコ

Author:タコ
映画が大好きな一人の男。映画に関して思いついたことを書くだけの緩いスタンスでやっていきます。
文章力に自信はないので、非常につたない文章になっているかとは思いますが、読んでいただいて映画選びの参考にしていただけたら光栄です。

※コメント無しで、TBのみ送ってくる場合は承認しないようにしています。
また、内容が酷いと思われるコメントも独断で削除させていただきます。悪しからず。



~映画レビュー採点基準~
100点…必見!!ですが、作品によってはトラウマになったりする可能性あり。
81~99点…必見!!
61~80点…観る価値あり!!自信を持ってオススメ。
41~60点…まぁまぁ良作。暇なときに観ればいいのでは?
21~40点…別に観なくてもいいかと・・・。
0~20点…ダメすぎて話のネタになることもあり得る映画。




YouTubeで趣味で作曲もしてます。「Modernmonkey100」で検索して遊びにきてください。

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